結論
2019-11-04現在のHTMLの仕様では、h1タグは複数回使用して良い。 W3CではなくWHATWGの仕様が最新版となったため。
W3CとWHATWG
h1の話に移る前に、HTMLのルール(仕様)を作成している団体について解説する。
HTMLの仕様を作成しているのはW3CとWHATWGという2つの団体である。
W3Cはウェブに関するルールや枠組みを整備する標準化団体で、歴史的にHTMLの標準化を行ってきた。
WHATWGはApple、Mozilla、Operaに所属するメンバーにより立ち上げられたHTMLとその関連技術を開発するコミュニティである。W3Cが考えていたXHTMLについての方向性、Webサイト構築現場のニーズへの対応に対して不満を表明して2004年に設立された。
HTML5
HTML4*1まではW3Gが制定していた。
HTML4以降は、一時はWHATWGとW3Cが協力して仕様を策定すると思われたが両者は決別した。それぞれ大まかには似ているが細かい部分で差異のあるHTMLのルールを作成し、長らくHTMLの仕様が2つある状態になった。
- WHATWG: HTML Living Standardを開始(2011年10月〜 バージョンなし、日々更新される)
- W3C: HTML5(2014年10月)以降HTML5.1、HTML5.2、HTML5.3を勧告
h1タグの扱い
WHATWGとW3Cのルールの違いの1つとして、h1タグの扱いがあった。
W3CはHTML5.1以降 「sectionの階層構造に応じて適切な見出しタグをつけること」 としてh1を複数回使用しないよう勧告していた。
対してWHATWGは 「見出しタグの使い方は著者の好みである」 として、h1タグが複数回利用されても良いとしている。
参照:HTML Standard 4.3.6 The h1, h2, h3, h4, h5, and h6 elements
WHATWGのHTMLが標準仕様に
2019年5月29日、HTML標準仕様がWHATWGのHTML Standardとなることが発表され、W3CはHTMLの仕様策定をやめた。
このためWHATWGの仕様が正しいこととなり、h1タグも晴れて何回使っても良いというルールになった。
HTML標準仕様の策定についてW3CとWHATWGが合意発表。今後はWHATWGのリビングスタンダードが唯一のHTML標準仕様に - Publickey
参考
*1:HTML4.0は1997年勧告